100年後の映画館のために

映画館元副支配人による映画と映画館をめぐるインタビューの記録

2017-08

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真剣にバカ映画を作りました(佐藤佐吉さん)

今回は、先週土曜日から始まった「昆虫探偵ヨシダヨシミ」の
監督・佐藤佐吉さんと出演者の水元秀二郎さん、原作者の青空大地さんの
三人にお話を伺ってきました。
(劇場と配給側の意向で、映画の宣伝が多めになっております。)

映画自体はシュールで面白いんですが、果たして映画館に
どのくらいお客さんが来るか、結果が楽しみです。

というわけで、どうぞご覧ください。


-----------------------------
第4回:佐藤佐吉さん(『昆虫探偵ヨシダヨシミ』監督)
水元秀二郎さん(俳優)・青空大地さん(漫画家)




★翔さんの一言から始まった
Q:今日から公開になる「昆虫探偵ヨシダヨシミ」ですが、まず制
作の経緯を教えてください。
佐藤:講談社の編集の加藤さんが、哀川翔さんに勝手に(笑)本を送
りつけたところから始まりまして、それを翔さんが読まれて、これ
は映画化するしかないと、ピピッときたんでしょうね。そのときに
ぼくのことを思い浮かべてくれたみたいで、すぐ電話をくださった
んです。「昆虫探偵面白いよ。(当然)知ってるよね?」と興奮した
声が聞えてきて、これは映画化しろって話なんだろうなと思って、
すぐ原作を読みました。そしたらもう面白くて。でも長編として映
画化するのは難しいと思って、しばらく放っておいたんです。でも
ちょうど運悪く、翔さんの25周年記念パーティがあって、そこで案
の定「昆虫探偵」のことを念押されて、もうやるしかないなと(笑)。

Q:放っておいたということですが、映画化したときのイメージは
あったんですか?
佐藤:ずっと考えてはいたんですが、これでいいのかと迷っていま
した。でも、主人公ヨシダヨシミの孤独な雰囲気と、翔さんが時折
見せる誰にもわかってもらえないというような感じが、ぼくが好き
な「孤独なヒーロー像」と一致して、そういう方向でまとめようと
決めたんです。で、すぐに簡単なプロットを吉岡さん(プロデュー
サー)に送ったところ、賛同してくださったんです。え、本当にや
るの?っていう感じでしたけど(笑)

Q:原作のエピソードを散りばめながら、まったくオリジナル脚本
になっていますね。
佐藤:パーティのときに翔さんのそっくりさんが出ている映
像を見て、世の中に何人か翔さんのそっくりさんがいることを知り、
そこからインスピレーションを受けたんです。そのそっくりさんの
お一人が、水元秀二郎さんだったんですが、まだお会いしたことも
ないのに、水元さんが出演することを前提でシナリオを書いたんで
す(笑) でも、どこからも突っ込みが入らなかったので、本当に大
丈夫か?とちょっとびっくりしましたけど、これはもう責任持って
やらないといけないな、と。



初日舞台挨拶の様子。
左から、佐藤佐吉さん、青空大地さん、水元秀二郎さん

Q:水元さんはこの話が来た時、どう思われましたか?
水元:耳を疑いましたね(笑)下手すると翔さんをバカにしたよう
なことになりかねませんし、普通にやればウケないだろうし、どう
しようかなと困りました。普段翔さんと同じ所で髪を切ったり、同
じサングラスかけたりはしていますが、「哀川翔になってください」
と言われると、これは難しい。翔さんがいないところならできるん
ですが、一緒に同じ映像に写るとなると…。もうセリフとか全然ダ
メで、あとでアフレコしたり…
佐藤:その辺は、DVDが出たときの映像特典で観てもらいましょ
う(笑) でも水元さんは相当なプレッシャーがあったと思います。
似すぎるとちょっと違うし、似てないんだけどふっと同調する瞬間
があったり。難しかったんじゃないかと思います。

Q:映画を観てて、そっくりさんが出てることに気づきませんでした。
佐藤:試写のとき、みんな台本読んで知ってるはずなのに、えっ?
てびっくりしてました。普通に観たら気づかないんでしょうね。こ
れ以上はネタバレになるので…

konchu02.jpg


Q:青空先生にもお聞きしたいんですが、映画化されることになっ
たときの感想をお聞かせください。
青空:嬉しかったですね。嬉しいとともに、話が大きすぎて不安に
なってくるというか…。映画になるような話でもないですし、映画
になるとも思ってなかったので。でもこれが映画化されるというこ
とが描くことの心の支えになっていました。

Q:実際にご覧になっていかがでしたか?
青空:単純に感動しました。脚本読んだときも、一読者として脚本
読ませてもらって、映画も一観客として観て、本当に楽しく観まし
た。

Q:映画化にあたって、青空さんから注文はあったんですか?
佐藤:いえ、ほとんどなかったんですが、1点だけこれはダメ出しが
…、なんでしたっけ、先生?
青空:ええっと、確か虫の習性について正確に書いて欲しいという
ようなことだったと思います。
佐藤:そうですね、先生から指摘してもらって、虫を勝手に解釈す
るのではなく、虫好きな人が観ても納得できるように細部を忠実に
描くように注意しました。

Q:翔さんは虫がお好きということですが、撮影中に翔さんと虫に
まつわるエピソードはありますか?
佐藤:休憩時間にバッタを見つけたりとかありましたね。普通大人
になると虫ってなかなか見つけられないものですが、翔さんはまだ
子供が持ってるような「虫眼」が効くんでしょうね。凄いです。

Q:実際に出てくる虫たちは、全部本物なんですか?
佐藤:はい、全部本物です。途中、お休みいただいているような場
合もありますが(笑)なので、撮影中、基本的に「虫待ち」で大変
でした。でも、一番ハードルの高い交尾シーンが撮れたのはよかっ
たです。最後には映画業界最強の虫チームになれたと思います(笑)

Q:翔さんが一人で虫と話している姿を見て、現場はどんな感じだ
ったんですか?
水元:もう笑いをこらえるのが大変でした。コロコロコロ…とか(笑)

Q:この映画の見所を教えていただけますか?
佐藤:翔さんが死にもの狂いで作りましたと言っているのは別に誇
張ではなく、そのくらいのつもりで僕らも作ったんですが、でもお
客さんには本当に気楽に観て欲しいです。こんなバカな映画あって
いいんかね、みたいな感じで。いまどき日本でこんな映画作ってい
る人はいませんから。みんなで笑って観れる映画を作ったことは誇
りに思っています。真剣にバカな映画を作りました。

★1800円分の満足を持ち帰ってもらいたい
Q:ここからは少し監督だけにお聞きします。映画館で自分の映画
を上映するということの意味や、映画館への思いをお聞かせいただ
けますか?
佐藤:ジャック&ベティで上映していただけるということで非常に
楽しみにしてきました。ロビーでグッズを売ってくれたり、ぼくが
脚本した「デコトラの蹴」のDVDまで置いてくれてたり、本当に
感動しました。こんなに気を遣ってくれる劇場ってないですから。
映画館について言えば、ぼくは劇場の経営については何もわかりま
せんが、最近自分の周りの映画関係者は名画座に行っているんです。
はっきりいって今の映画がつまらなくて、昔の映画のほうが刺激的
だからなんだと思います。ぼくらは映画をみんなで観て、笑ったり
感動したりして、共有するということを経験してきました。そうい
う感動って改めて大事だと思うんです。
 子供の頃、大阪の劇場で「日本沈没」と「女囚さそり」(701号怨
み節)の二本立てをやっていました。子供だったのでもちろん「日
本沈没」が目当てだったんですが、「女囚さそり」の終わりくらい
から入ってしまって、ちょうど梶芽衣子が片方のおっぱいだして田
村正和を殺すシーンだったんです。これはかなり衝撃的で、次の日
教室でみんなで「怨み節」歌ったりしたものです。映画ってそんな
風にみんなで共有するものだったんです。ネットとかDVDとか出
てきても、やっぱりみんなで観るっていうことは貴重な体験だと思
います。ジャック&ベティさんのような、感動を共有しようよとい
う劇場はこれからもきっと残っていくのではないでしょうか。

Q:
監督にとって「いい映画」とはどういうものでしょうか?
佐藤:難しい質問ですね。それは常に自分自身に問いかけているこ
とです。映画を作り始めた頃は、自分がいいと思っているものを提
示することがいい映画だと思っていたんですが、やっていくうちに
それだけじゃダメだなと思うようになりました。ひとつはお客さん
に満足してもらえないとダメなんだなということ。それを佐藤佐吉
が言うのか、という感じですが(笑)、でも今回の作品も、自分のや
りたいことをやりながら、できるだけお客さんに喜んでもらいたい
なと思って作りました。1800円というお金を頂くわけですからその
分はの満足は持ち帰ってもらいたいなと思っています。もし満足し
てもらえたら、それがいい映画なんだと思います。

Q:最後に皆さんに質問ですが、いま映画館で観たい映画を何でも
いいので挙げていただけますか?
水元:すでにある映画というわけではないですが、ぼくは今回の仕
事で、佐藤監督の妥協を許さない姿勢や奇抜なことができる部分に
感銘を受けて、大好きになったんです。佐藤監督が任侠物を作った
らすごいことになるんじゃないかと思いまして、ぜひ作って欲しい
し、それに出て、スクリーンで観てみたいなあ、なんて思っていま
す。
 大きなスクリーンで映画を観るのはいいものですね。午後の上映
のとき映画館に忍び込んで、(昆虫探偵を)こっそり観てたんです。
お客さんの笑い声とか聞えてくるとホッとします。やっぱりぼくは
テレビより映画館が好きです。

佐藤:この映画が狂ってるのは、青空さんの原作が狂ってるからな
んで(笑)、ぼくはまともな映画を作ったつもりなんですが。でも、
ぼくが任侠ものや青春ものやりたいなんていうと、誰も本気してく
れないと思いますよ(笑)
青空:ぼくは具体的な作品ではないんですが、家族でディズニーラ
ンド行ったんですがすごい疲れて、実は子供もあまり楽しんでなく
て、でも映画を観にいったらすごいのめりこんでいたんです。だか
ら子供と楽しめる映画ならなんでもいいので…
Q:ジャック&ベティでは、先生のお子さんが楽しめるような映画
はまったくやってなくてすみません。。
青空:いえ、内容は子供向きでなくてもいいんです。映画館という
場所の雰囲気が好きなようです。
Q:じゃあ「昆虫探偵」もぴったりですね。交尾のシーンとかあり
ますが。
水元:(交尾のシーンも含めて)ぼくらが思っている以上に、ぜん
ぜん子供が見ても大丈夫だと思いますよ。たとえわけわからなくて
も楽しんでみると思います。
佐藤:もう全然子供OKだと思います。撮影中も子供たちが来て、
カブトムシの交尾見て騒いでましたから。困ってるのは親たち(笑)
まずいものを見せてるという親の意識のほうが問題であって、むし
ろどんどんまずいものを見せるべきだと思います。そこからコミュ
ニケーションが始まるんです。ぼくが小さい頃観た「女囚さそり」
もそんな感じでした。だからスクリーンで観るとしたら、もう一回
「女囚さそり」を大人も子供も含めてみんなで観たいですね。「昆
虫探偵」も小学校とかで、子供だけの上映会をやると盛り上がるん
じゃないでしょうか(笑)

Q:皆さん、ありがとうございました。
「昆虫探偵ヨシダヨシミ」は4/16(土)まで上映しています。ぜひ劇
場までお越しください。

2010年4月3日(土) ジャック&ベティにて


<プロフィール>
佐藤佐吉(さとうさきち)
1964年大阪生まれ。大学卒業後、キネマ旬報社及び西友映画事業部
に所属しサンダンス映画祭in東京を企画するなど映像作家発掘に尽
力する一方で自身も創作活動を開始。主な脚本作品に『金髪の草原』
『殺し屋1』『極道恐怖大劇場 牛頭』『オー!マイキー』『トーリ』
『バミリオン・プレジャー・ナイト』『リボルバー 青い春』
『きまぐれロボット』など。また役者としても『キル・ビル』や
『アカルイミライ』『アフタースクール』など多くの映像作品にも
出演している。
監督作に『東京ゾンビ』(主演:浅野忠信、哀川翔)、『平凡ポンチ』
(主演:秋山莉奈)など。
『昆虫探偵ヨシダヨシミ』は長編第3作目となる。

水元秀二郎(みずもとひでじろう)
1975年生まれ。自他共に認める哀川ファン。追っかけから付き
人に、そして芸能界デビューと常に哀川の背中を追っかけて芸能界
を突き進んでいる。主な出演作品に「誇り高き野望」(05)、
「弁天道理の人々」(09)、「新宿インシデント」(09)、
「野望への挑戦」(09)がある。
★公式サイト
http://www.hidejiro.info/

青空大地(あおぞらだいち)
漫画家。『昆虫探偵ヨシダヨシミ』の作者。
1972年北海道生まれ。
★ブログ
http://ameblo.jp/yoshida-yoshimi/


<参考作品>

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