100年後の映画館のために

映画館元副支配人による映画と映画館をめぐるインタビューの記録

2017-11

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その先に夢の実現を信じて(みひろさん)

第18回:小沼雄一さん(『nude』監督)、渡辺奈緒美さん(主演女優)、みひろさん(原作者・女優)

tirashinudea.jpeg
『nude』 シネマ・ジャック&ベティにて絶賛上映中!
<10/9(土)~10/15(金)>16:00~17:50
<10/16(土)~10/19(火)>17:40

公式サイトはコチラ

★一人の女性の成長物語として
Q:(監督へ)いま、全国の劇場で公開が始まっていますが、お客さんの反応はいかがで
しょうか? 監督はこの映画をたくさんの女性に観てほしいとおっしゃっていますが、
女性の反応はいかがですか?

小沼:
反応は、性別、年齢、職業によっていろいろありますね。女性もたくさん観にき
てくれていて、ネット上でたくさんコメントをくれています。

Q:(みひろさんへ)ご自身の人生を描いた小説が映画化されたわけですが、映画館で実
際に作品を見たときの感想はいかがでしたか?

みひろ:ある人(作家の新堂冬樹氏)から小説を書いてみないかと言われて、書き始め
たんです。書いているときは、映画になったらいいなとは思っていましたけど、本当に
実現するとは思っていませんでした。文章を書くのは本当に大変で、途中で何度も止め
ようと思ったんですけれど、最後まで逃げないでやり抜いたからこそ、こうして映画化
や漫画化につながったので、よかったなと思いました。

Q:小説の執筆はかなり苦労されたんですか?

みひろ:書けるときはスラスラ書けたんですが、どう書けばいいのかわからなかったり、
表現が見つからなかったりしたときは本当に苦しかったです。それに他の仕事もしなが
らだったので時間的にも厳しい中、プライベートの時間もずいぶん削ってようやく書き
上げました。

Q:自分の人生を、映像を通じて客観的に見ることで見えてきたことなどはありましたか?

みひろ:初心を思い出させてもらいましたね。好きだからと思って夢中で仕事をしてき
た当時のこととか、辛かったりしたこととか、そういう体験を振り返ってあらためて前
向きな気持ちにさせてもらいました。いろんな情報が入ってきて、ちょっとひねくれた
自分になってしまったりしたこともあったんですが、そういった負の感情をリセットす
ることができたと思います。

nude01.jpg
みひろさん、渡辺奈緒美さん、小沼監督
Q:(渡辺さんへ)原作を読んで、どういう部分に共感されましたか。

渡辺:主演をさせていただくということが決まる前に読んだんですが、原作では「ひろみ」
と「さやか」(ひろみの故郷の親友)の視点が交互に描かれていて、最初は「さやか」の
気持ちに共感しました。ひろみが違った方向にいっちゃってるんじゃないの?と心配する
友達の気持ちのほうが感情移入しやすかったんです。

Q:実際には「ひろみ」を演じるわけですが、演じる上で難しい面はありませんでしたか?

渡辺:脚本は原作とは違って、ひろみの視点で、さやかやマネージャーとの関係が描か
れていてシンプルになっていたので感情移入しやすかったです。ひろみの感情の変化の
深い部分が描かれていたので、脚本を読んだときに、なぜだかはわからないんですが、
この役を絶対にやりたいと思いました。うまく説明できないのですが・・・

Q:AVという世界はあまり馴染みがないと思いますが、やりにくい点などはありませ
んでしたか?

渡辺:この作品は一人の女の子が、いろんな葛藤があったり、選択肢がある中で成長し
ていく過程を描いた物語なので、「AV」という部分だけを取り上げて捉えてしまうと
ちょっと変な感じがします。最終的にひろみはAV女優になることを決断するわけです
が、それはひろみの人生の中の要素の一つでしかないと捉えています。ですので、特別
に構えたり、意識したりしないで撮影に臨めました。

nude02.jpg
会場を埋め尽くした観客(男女比9対1)が舞台上のゲストに熱い視線を送った。


Q:(監督に)映画化にあたって苦労した点、工夫した点はありますか?

小沼:普通はたくさんの登場人物が出てきて物語を作っていくわけですが、今回は山瀬
ひろみという一人の女性が自分の人生について語った小説の映画化ですので、普通の映
画とは作り方が違いました。でも自分はそこが面白いと思っています。若い人は皆、自
分の中にたくさんの自分がいて、人生にはたくさんの選択肢があります。その中で気持
ちが揺れ動くことは、誰もが経験することです。そこを描きたかったんです。ひょっと
したら、山瀬ひろみは八百屋のおばちゃんになっていたかもしれません。選択がちょっ
とズレただけでまったく違う人生を歩んでいたかもしれないわけです。少女から大人に
なっていくときのわずかな揺れがその後の人生を大きく変えるという、繊細な部分を描
こうと思いました。

Q:いま監督がおっしゃったように、人生の中ではいろんな選択をして決断をしていく
わけですが、みひろさんは、何に従ってこれまでの人生を歩んできたのでしょうか?

みひろ:感覚ですね。後は、マネージャーや周りの人たちを信じてやってきたというこ
とですね。こういう世界って、事務所は女の子をちやほやして、おだてて、AVやって
くれれば、事務所は潤うしそれでいいわけですよね。でも、私の事務所は、私の夢や人
生を考えて親身になってくれたんです。強制的に仕事をさせたりとかは一度もなくて、
必ず相談してくれて、この先こういうことにつながるかもしれないということきちんと
説明してくれたので、私はそれを信じて歩いてきました。

支配人:(取材時間)あと5分です。

★映画館について、女優について
Q:制限時間が迫ってきていますがここでテーマを変えまして、映画館についてお聞き
します。監督にとって、作品を劇場で上映することはどのような意味を持っていますか。

小沼:もちろん特別なことです。劇場で映画を観るという体験は、暗闇に閉じ込められて、
半強制的に映画を見るわけで、制限された中で成立するコミュニケーションです。例えば、
縛られたほうが気持ちいいみたいな、そんな感じでしょうか(笑) そこには、暗闇で
映画と向き合い、しかも知らない人と空間を共有し、スクリーンの向こう側に登場上人
物がいて、それを撮っている人たちがいるという、重層的な関係が成立しています。
テレビなどでは起こりえないものが映画館にはあると思います。

nude03.jpg
女優としても作家としても、今後の活躍が楽しみなみひろさん


Q:ところで、お二人は映画館には行きますか?

渡辺:はい。
みひろ:ちょっと時間がなくて…

Q:みひろさんは、故郷の新潟で映画を見た記憶などはありますか? それが女優にな
りたいと思ったきっかけだったりするのでしょうか?

みひろ:小さい頃、劇場で「ドラえもん」を観たりしたのは記憶にあります。でも女優
になりたいと思ったのは、劇場での体験ではなく、テレビを見て華やかな洋服を着て歌
ったりしている姿にあこがれて、私もそこに出たいと思ったのがきっかけです。

Q:渡辺さんはいかがですか?

渡辺:母に連れられて、初めてアニメじゃない日本映画を観たんですが、そのとき衝撃
が原点にあります。『蔵』という映画でした。淡い恋心が描かれていて、どこか非現実的
なんだけど、アニメと違って人が演じているからリアリティがあって、違う世界に連れ
て行かれたような体験でした。この映画を観てから、演じるということに興味を持った
んだと思います。

支配人:そろそろ時間が……

Q:ええっと、聞きたいことはたくさんあったんですが、時間がきてしまいまって残念
です。よくある質問ですが、最後にこの作品の見所について一言ずつメッセージをいた
だけますか?

小沼:主人公・山瀬ひろみの揺れ動く気持ちをそのまま感じていただければと思います。

渡辺:初めてみひろさんにお会いした時、まっすぐ前を向いて歩いていく姿が印象的だ
ったので、そこは絶対に嘘をつきたくないと思って演じました。彼女の揺れ動きながら
もまっすぐ前を向いて人生を歩んでいく姿に、お客さんもスクリーンを通して体当たり
でぶつかっていって欲しいです。

Q:みひろさんは、質問を変えまして……

みひろ:えー、せっかく答えを考えていたのに(笑)

Q:今後、女優としてますます活躍していくと思いますが、どんな女優になりたいと考
えていますか?

みひろ:演じている姿を見たときに、思わず笑顔になってしまったり、涙を流してしま
ったり、観ている人が心揺さぶられるような、感情を振るわせられるような女優さんに
なれたらいいなと思っています。

Q:今日はどうもありがとうございました。この後の舞台挨拶もよろしくお願いします。

2010年10月10日(日) ジャック&ベティ応接室にて

<プロフィール>
小沼雄一(おぬま ゆういち)
1965年生。茨城県出身。大学卒業後、映画を志し、映画監督今村昌平が創設した日本映
画学校に入学(第七期映像科)。1995年、卒業制作として監 督した映画「チャンス・コー
ル」(16mm作品)が今村昌平賞を受賞し、文芸坐で劇場公開される。卒業後、井出良英、
池田敏春、緒方明、行定勲等の監督のもと、助監督として現場経験を重ねる。作品に
『自殺マニュアル2-中級編』(03年)、「キル・鬼ごっこ」(04年)、『AKIBA』(06年)、
『童貞放浪記』(09年)、『結び目』(10年)がある。また、本業の傍らパソコンソフトを趣味
で制作し、シェアウェア作家としての一面も見せる。特にエディタソフト「O's Editor2」
はプロのシナリオライターにも好評を博し、業界標準として認知されている。

渡辺奈緒子(わたなべ なおこ)

1984年生。神奈川県出身。『東京大学物語』(06年)にてデビューして以来、『リアル鬼ごっ
こ』(08年)、『小林少女』(08年)など話題作が相次ぐ。フランソワ・ジラール監督の日本=
カナダ=イタリア合作『SILK』(08年)に出演し話題になる。本作が初主演作品となる。
その他、『リアル鬼ごっこ2』、『アウトレイジ』(北野武監督)、『行きずりの街』(阪本順治
監督)など、幅広い役柄に挑戦し続ける若手実力派女優。

みひろ
1982年生。新潟県出身。2002年にヘアヌード写真集「夢」でデビュー。お菓子系アイド
ルとしてイメージビデオ、オリジナルビデオなどに出演。2004年にはシングル「ヒマワリ」
をリリースして歌手としても活躍。その後、2005年1月にAVデビューし、一躍トップ女
優となる。「ゴッドタン~キス我慢選手権」(テレビ東京)では、迫真の演技を見せた。
人気絶頂の中、惜しまれつつ2010年6月にAVを引退し、本格的に女優として活動を始
める。映画出演作に『呪怨 白い老女』(09年)、『SR サイタマノラッパー』(09年)など。
自身の人生を自ら書き下ろした小説『nude』は、若い女性を中心に大反響を呼んだ。

『nude』公式サイト
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テーマ:インタビュー - ジャンル:映画

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